10月8日付報道資料
愛媛CATVに全国初のFTTH利用許可
松山市山越地区をケーブルテレビ視聴エリアとして新しく認めてもらうよう
郵政大臣に対し許可申請していた愛媛CATVは10月8日、郵政省・四国電気
通信監理局(電監)からエリア拡大の許可を得た。新規の山越地区では、愛媛
CATVがNTTの敷設する光ファイバー(FTTH=ファイバー・ツー・ザ・
ホーム)を借り受けて伝送路とするもので、電監によると既存のケーブルテレ
ビ事業者が自前ケーブルではなくFTTHを利用するのは全国で初めて。同社
は来年10月の開局を予定、加入予約の受け付けを始めた。
* 経過: 愛媛CATVは8月5日、電監に許可申請を出した(8月7日
に報道発表)。
1. 許可された新規エリア「山越地区」
山越地区は、当社で第11期エリアとなる松山城の北側。対象世帯数は1
万4,666世帯で、次の通り。
姫原1〜3丁目、山越町、山越1〜6丁目、吉藤1〜5丁目、白水台1〜
6丁目、鴨川1〜3丁目、御幸1〜2丁目、本町6〜7丁目、萱町6丁目、
久万の台、問屋町、東長戸1〜4丁目、西長戸、中央1〜2丁目、安城寺
町、東山町、船ヶ谷町、みどりヶ丘
*加入時に必要な料金は、これまでの既存エリア内と同額。契約料3万円、
標準工事の引き込み料・屋内配線工事料は3万円の合わせて6万円。同社は
開局までの予約申し込みについては、2万円割引の4万円とする。
2. 既存CATV事業者としては全国初のFTTH利用
山越地区では、日本電信電話(NTT)愛媛支店が山越局から各家庭ま
で敷設する光ファイバーケーブル(FTTH)をケーブルテレビの伝送路
として借用する。愛媛CATVとNTT愛媛支店は8月31日、「CATV映
像伝送サービス」契約を結んだ。電監では「新規のCATV事業者ではな
く、愛媛CATVのような大規模な既存業者がエリア拡大にFTTHを利
用するのは全国で初めてのケース」と説明している。
CATV事業者によるFTTHのモデル実験としては横浜市の戸塚、栄区
で始まっており、新規事業者としては鹿児島で申請している事例がある。
3. FTTH利用のメリット
▼愛媛CATVとしては、FTTHを利用することで自前ケーブル建設にか
ける設備投資(4億〜5億円)を抑えることができる。さらに、放送と通信
が融合する中で、愛媛CATVでは「将来の地上放送デジタル化、多チャン
ネル化にも十分こたえられる。現行の同軸ケーブルと光ファイバーをつなぐ
アナログ方式では58チャンネルが限界。光化すれば160チャンネルまで可
能」とみている。
*一般家庭の電話線の通信スピードは56kbps(キロビット毎秒)で、INS
ネット64では64kbps。光ファイバーは1.5Gbps(ギガビット毎秒=1kbps
の100万倍=)で、約2万倍の伝送能力がある。1Gbpsは新聞1年分を
1秒間で伝送できる速度。光化は高速・大容量の通信を可能にし、従来の
電話、ファクス、CATVに加えて、高速インターネット、テレビ電話、
VOD(ビデオ・オン・デマンド)など多様化、多重化する高度情報化社
会で大きな力と期待されている。
▼NTTとしては、電話局間など幹線路では光ファイバーを地下埋設、電
話局から各家庭までの間をすべて光化する方針を打ち出しており、CAT
V事業者から大口の利用料収入を安定的に得られることで、建設コストを
低く抑えることができる。
*光ファイバー回線使用料は、3,000世帯までが月額450万円(1世帯当
たり1,500円)。3,000〜5,000世帯までは1世帯ごとに1,300円、1万
世帯までは1世帯ごとに1,200円、1万世帯を超えると1世帯1,100円。
4.愛媛CATV社の現況
愛媛県、松山市が出資する第3セクターで、松山市内を視聴エリアにす
る都市型CATV。平成元年開業、同3年の開局。資本金8億円。従業員33
人。平成10年3月期決算では、売上高10億7,200万円、経常利益2億8,700
万円で初の単年度黒字となった。
第1期から今年6月に開局した第10期の余戸・土居田地区まで、次々
と視聴エリアを拡大、全市18万世帯のうち13万世帯をカバー。9月30
日現在で加入契約数は3万4,241件数で、シェアは25%を超えた。
地域密着の自主制作番組・タウンチャンネルをはじめ地上波、衛星系放
送の同時再送信など37チャンネルを放送する。うち5チャンネルは有料。
基本利用料は月額2,900円。
加入者数では全国でも有数の規模となったほか、加入者が毎年10%ずつ
伸び続けるCATVとして注目されている。